12年前まで。ずっとあなたが好きでした。
台風19号の影響を全国放送のニュース番組が放送し続けた。
当日は東京の葛飾区にいた僕だけど、住んでいるところには大きな被害はなく翌日の日曜日は連休明けからの転勤の準備のために、必要なものの買い物をしていた。
長野や仙台や自分のゆかりのある土地で水があふれ、知っている場所が大変な状態になっているのも、映像から見ると他人事のように感じてしまっている自分をこれから控える自分の状況への不安を理由に納得させていた。
浮遊しているような自分の心の状態のまま過ごしているときに、LINEが届いた。
『大丈夫?台風すごかったんやろ?今東京やんな?』
中学(もう27年も前)の時のクラスメイト
彼女とは中学1年生と中学3年生の時のクラスが一緒。
目立っていたわけではないけど、生徒会員としても頑張って、成績もそこそこ、部活もまじめ。
成績は僕の方が断然良かったけどね。県の公立トップの高校に行きましたからね!
そんな彼女とは違う高校に入ったけど、しょっちゅう電話して話してた。
大学へ行っても。
社会人になっても。
彼女が結婚するまでお互いの近況や恋愛の話を電話でしてた。
学生の時はお互いに『彼氏できへんねん...どうしたらえぇ~んやろ』とか『気になる子員ねんけどどうやったら気を引ける?』とかそんなよくある若い子の悩みの話をしてたもんだけど...
1年浪人して、東京の大学に入り、2年目から単身赴任の親父の家から出て一人暮らしを始めたタイミングで、彼女は短大を卒業して一足先に社会人になった。
そのころ、研修で東京に来た時には僕の部屋に泊まったり、『宿が取れなかったから一緒にラブホテルに泊まって!一人で入れへん!』言われ一緒にとまったり、『看護師の人と一緒に東京に研修に来たから飲もうよ!』って言って2対2でちょっとした合コンみたいになってそのまま彼女たちの宿泊してるホテルに泊まったりとあったけど、なんども機会はあったけど、一線を越えることはなかった。
男女の友情は成立するんだよ って思ってたからなのかな?青い。
僕は中学1年の時に別の小学校から一緒のクラスになった彼女を見て、少し話して、すぐに好きになった。
当時は携帯はもちろん、ポケベルも一般普及してない時だったから、学校以外で連絡したいって思ったら連絡簿を見て実家へ電話する事しかできなかったんだよね。
小学校のなかいい男子があつまると『お前のクラス誰かかわいい子おった??』みたいな話にはすぐなるような時代。
そのまま連絡簿みて気になる女子の家に何かしらの用事をみつけて電話してっていう事をやっていたね。懐かしい...のと恥ずかしいのとww
もちろん僕にも順番が回ってきて、彼女の家に電話した。
同じクラスの奴がもう一人いて、そいつと二人で変わりながら話したのが悪かったのか?内容が悪かったのか?そっこーで嫌われた...
1年の時はほとんど口をきいてもらえなかったね。
水泳部で大会で全校の前で表彰されたり、成績が優秀だったのが良かったのか、3年でクラスが一緒になったときにやっと話せるようになった。
まぁ、水泳部の女子と仲が良かったのもあるかもな。
その時はお互いに『〇〇が好き』ってのがあったんだけど、もちろん僕は彼女のことが好きなことは彼女には言えないままだった。
結構あきらめが早いみたいw
でも、そっからの関係性がどんどん良くなって、恋愛というか友情の方に発展していったわけだね。
台風の日。
もらったLINEに『大丈夫!今は小岩に住んでるけど、うちには影響なかったよ』って返したら、そのまま既読になって返事が来なかった。
彼女が医者と結婚してから、全然連絡を取っていなかったから、久しぶりに話したかったなって思ったけど、向こうにも都合があるしって思ってその場は『伝わったからいっか』って感じだった。
1週間たった昨日。
仙台で一人で飲んでLINEで色々やり取りをしていた時に、彼女のアカウントが目に入ってきた。ほんとたまたま。
「あっ」と思って、『お前既読スルーやんけww』って送ったら、ちゃんと『ごめーん。無事やからそれでいいやぁ~ってそのままにしてた』って返ってきた。
そこから3時間。
懐かしい時間を取り戻すように、近況の報告とそれについての話。
かれこれ12年振りの会話。
僕は今家庭が上手く行っていない。
奥さんと子供がいるが、離婚を考えている。
すごく素敵な女性だったけど、結婚してからうまくいかなくなってしまった。
子供の将来を考えると価値観とか考え方の違いモロにぶつかるようになってしまった。
お互いに疲れ果てるまでやり合って、別居して戻ってまた別居。
もう無理かな。
特に浮気をしたわけではないけど。暴力振るったこともないけど。
ダメになる家庭もあるもんだ。
彼女は彼女で旦那に対しての不安はあるものの、離婚の話まではには至っていないレベル。
至ってないだけで、状況はかわらないよって話。
どこの家庭もそんなもんかな。
そんな話をずっとしながら、ふと昔の話とかに戻った時。
『ラブホに二人で泊ったやん?あの時一線を越えてしまっておかしくない状況やったけど、あれはあたしに魅力がなかったのかな?あなたが紳士だったのかな?』って。
『わたしら友達から恋人に変わってたら結婚してたんかな』って。
ずっと聞いてほしいかった質問。
彼女もずっと聞きたいと思っててくれたのかな。
文字だから、目の前にいないから言えるのかもしれない
『その時も一線超えたいと思ってたし、将来結婚するならこいつなのかな?って思ってたよ』
お酒の力もあったのかな?
今の自分の不安もあったのかな?
やっと伝えられた気持ち。
でも、正直に伝えるには遅すぎたよね。
ただ、心はすごく晴れた。お酒っていいよね。
12年前。
僕は友達と飲んでて、彼女の話をした。
友達がふざけて『俺と結婚してくれよ!』ってメールを送った。
僕も止めなかったんですけどねww
翌日彼女から電話がかかってきて、
『どうしたん急にwwなんかあったん??』
『いやぁ、飲んでてさ、友達がノリで勝手にメール送っただけやねんww気にせんといて』
『もぉ~そうなんやぁ~。相変わらずやなぁ~。』
『でもさ、なんで私が結婚すんのわかったん?プロポーズされて結婚すんねん』
結婚式は異性だけど披露宴から呼ばれたけど、行けなかった。
その時、自分の大切な人が奪われてんなって思って...
色々恋愛はしたいけど、彼女だけはずっといるからって勝手に自分の都合のいいように思っていた。
男女の友情は成立しない。
僕は彼女と結婚していたら、何かが違っていたのかもしれない。
タラレバは無いけれども。
今日は一日移動だったから。
新幹線の中でずっと昔のことを思い出し、彼女のその時その時の表情を思い出していた。
記憶力の悪い僕ですけど、関連付けると色々思い出すもんですね。
逆に辛かったわ。
忘れてしまわない様に、ブログに書いてみたわけです。
目を見て伝えたい。
ずっとあなたが好きでした。それはたぶん今でも変わらない。